下肢切断の後遺症、リハビリ|回復期リハビリテーション.net

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下肢切断になってしまったら

下肢切断ってどんな手術?

下肢切断は主に外傷、血行障害、腫瘍を原因として痛みや皮膚の障害がある、あるいは下肢の支持・運動機能が著しく損なわれ、その温存が困難な場合に選択される手術です。通常、大腿部あるいは下腿部での手術が多く行われていますが、まれに股関節部や足関節部での手術も選択されます。

残りやすい後遺症は?

原因疾患により症状と頻度は異なります。原因疾患が血行障害であれば手術部位の創治癒の遅れが生じることがありますが、通常は適切な追加処置で治癒します。また外傷が原因であれば、手術した神経の断端に断端神経腫(神経の塊)を生じることがあり手術部に痛みを感じますが、障害された神経の断端を適切に処理することで、防ぐことができます。
そのほかに、最も厄介な後遺症ともいわれるのは、幻肢痛です。幻肢痛とは失くした下肢の部分に痛みを感じる症状です。通常は早期のリハビリテーション治療と適切な薬物治療で徐々に消失していきます。幻肢痛の発生は手術前の痛みに耐えた期間が長いほど起こりやすく、期間も長いと報告されています。人間の自力での移動手段である下肢を失うということは大変な恐怖と苦悩を伴うものであることは想像に難くありません。しかし、現在の医療技術をもってしても温存が困難な場合に、長期間歩行せずに痛みに耐え、悩みながら治療を続けることは、全身の筋力が衰えることと幻肢痛が残りやすいことを考えてもお勧めできないのです。

リハビリテーションの必要性

後遺症のことを考えると、早期に集中的なリハビリテーションが必要です。下肢切断手術後は、できるだけ早期にリハビリテーション治療を開始し、手術創の状態が許すならば、仮義足あるいはギプスを用いた義足で失った下肢の部分を補いましょう。これにより下肢の喪失に伴う精神的、肉体的苦痛の期間が短縮され、義足でも十分に歩行可能であることを確認することで前向きに生きる基本姿勢を保つことだと思います。