病棟を選ぶポイント|回復期リハビリテーション.net

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病棟を選ぶポイント

ひとくちに「回復期リハビリテーション病棟」といっても、病棟ごとにより可能なリハビリテーションやサービスは異なります。患者さまにとって適したサービスが受けられる施設を選ぶためのポイントをご紹介します。

回復期リハビリテーション病棟のチェックポイント

回復期リハビリテーション病棟に入院できる方は厚生労働省の基準で定められていますが、受け入れる病棟もスタッフの人員配置や重症患者の割合、治療達成目標などで5段階に分けられています。入院を検討するときは、どの段階の基準を満たした病棟か、入院の目的に合っているか、リハビリ以外の診療科は何があるかなどを確認しましょう。

どんな基準の病棟か?

病棟の施設基準を示す「入院料1」から「入院料6」までの違いは、治療目標とそのために行うリハビリテーションの違いともいえます。最も厳しい基準「入院料1」では管理栄養士の常勤化が義務とされているほか、休日のリハビリプログラム提供が定められています。

どんな場所にあるのか?

回復期リハ病棟への入院は長いと半年近くにわたるため、その間もご家族が足を運びやすい立地にあるのも選ぶポイントの一つ。ただ身近に適した病棟があればベストですが、回復期という大事な機会を最大限有効に活用するには、十分な施設・設備を持ち、しっかりとリハビリを行う病棟を優先して選ぶべきかも知れません。退院後の暮らしは入院期間よりはるかに長いもの。それを見据えた病棟選びが大事です。

どんな診療ができるのか?

リハビリテーション科や整形外科の担当医がいるのは当然ながら、ほかにどんな診療ができるかも確認しましょう。脳疾患のリハビリを専門として脳神経外科の医師がいる病棟もあれば、呼吸器外科や循環器内科・外科、歯科のように幅広くカバーする病棟もあります。特に後者の場合、入院後に肺炎など別の病気になったとき、入れ歯の調整が必要なときなど院内で対応できるのがメリットです。

リハビリテーション環境のチェックポイント

たとえ同じ基準でも、病棟によって力を入れる分野は異なる場合もあり、リハビリを行う環境、使用する器具や設備などもさまざま。さらにリハビリスタッフの数、1日どれくらいの時間をリハビリに充てるのか、休日・祝日も行うのかなどは、回復の度合いに大きく影響する重要なポイントです。

患者1人当たりのスタッフ数は?

医師、看護師、薬剤師、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、医療ソーシャルワーカー、栄養士など、回復期リハ病棟で活動する職種は多様です。それぞれ役割が異なるため、職種ごとに1病床当たりのスタッフ数を比較すれば、病棟ごとの特色もわかりやすくなるでしょう。

1日のリハビリ時間や休日対応は?

回復期リハ病棟の1日のリハビリは最大3時間(9単位)で、一般病棟の2時間(6単位)よりも多く定められています。ただしこの基準の中で、どれだけリハビリを行っているかは病棟ごとに違うのが現状。多くの時間をリハビリに費した場合、日常生活の動作(ADL)がより大きく改善したという調査結果もあり、実際にリハビリを行っている時間はとても大事な比較ポイント。また土曜・日曜・祝日も平日同様のリハビリができる病棟なら、入院期間をフル活用できます。

リハビリ以外の過ごし方は?

日常生活動作(ADL)全体の回復をめざす回復期リハ病棟では、1日3時間までのリハビリプログラムに限らず、入院生活すべてがリハビリの一環といえます。そうした考えにもとづいた日常的な支援をどう行っているか、どのようなレクリエーションを用意しているかなども聞いておきましょう。リハビリ以外は寝たきり……といった状況に陥らず、アクティブに過ごしてもらうため必要な要素です。

退院後の在宅復帰率は?

退院した患者さんの在宅復帰率が70%以上かどうかが回復期リハ病棟の評価基準の一つ。リハビリの質を示すデータの一つですから、入院を検討している病棟ではどれだけの在宅復帰率を達成しているかを必ず確認しましょう。

その他のチェックポイント

患者さんが快適に入院生活を送るために、病院側はいろいろな取り組みに力を入れています。行っている活動や、そろえている設備から病棟の特色を理解しておくことで、実際に入院してもギャップを感じずに過ごせるよう、備えられるでしょう。

早出遅出などの勤務形態

日常生活動作のトレーニングは、現実の生活リズムに合わせて行うのが最適。例えば朝起きて、着替えて、食事をするといった動作の支援には、リハビリスタッフも朝早くから患者さんのそばにいる必要があります。こうした支援を行う病棟では、スタッフの勤務形態は、必然的に早出や遅出などに対応できるシフト制が主流です。

病院外でのさまざまな活動

自宅で暮らせるよう回復をめざすには、患者さんがどんな家に住み、どんな生活を送るのかを知ることも必要です。そのため中には、医療ソーシャルワーカーと理学療法士、作業療法士が地域のケアマネジャーと連携して家屋調査も行い、結果をもとに改修提案をするなど退院前訪問指導にも力を入れているところもあります。

特徴的な器具、設備などの設置

一般的な施設・設備に加え、病棟に特徴的な器具や設備があるか聞いてみましょう。それが最新のものでもそうでない場合でも、導入目的や期待される効果などを知ることで回復期リハ病棟の考え方などがわかりやすくなります。

リハビリ室や病棟全体の雰囲気

大変さや、つらさのイメージが伴うリハビリですが、元気で意欲のあるスタッフ、経験豊かなスタッフがいるところは全体的に明るく活気に満ちているはず。実際のリハビリの様子なども見学して、回復期リハ病棟の雰囲気を感じておきましょう。