リハビリテーション具体例|回復期リハビリテーション.net

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リハビリテーション具体例

回復期リハビリテーションでは、患者さん一人ひとりの状態や体調に合わせたリハビリを実施しています。道具や器具を使うなど、各専門職がオーダーメイドのプログラムを組んで行います。また、退院後スムーズに日常生活へ戻るために必要な動作の練習も行います。

理学療法編

発症前は普通にできていた、座る、立つ、歩くなどの動作が、疾患によっては難しくなります。スムーズな動作ができるよう、筋力トレーニングや歩行訓練などのリハビリを行います。理学療法士が中心となり、マシンの使い方の指導や補助につくので、無理なくリハビリに取り組むことが可能です。

筋力トレーニング

足、腕、全身などさまざまなマシンを使ったトレーニング。患者さま一人ひとりに合わせた負荷をかけ、高い効果を得られるようにしています。

  • マシンを使った脚の曲げ伸ばしの練習。症状に合わせて負荷がかけられ、自分のペースで、呼吸を整えながら行います。

関節可動域訓練

マシンを使わない、関節可動域訓練やストレッチは上手に身体を使うために重要。無理なリハビリで逆に体を痛めないよう、入念に行います。体の痛みや状態をチェックする役目も。

  • スムーズに体を動かせるように、足の曲げ伸ばしを行います。痛みの有無など、コミュニケーションをとりながらストレッチ。

歩行訓練

歩くだけでなく、座った状態から立つことから訓練はスタートします。日常生活に戻り自立した生活を送るためにも欠かせないリハビリです。歩行訓練により全身を鍛えられます。

  • 自分一人の力で立ちあがり、歩く訓練は、リハビリ開始の頃は大変な作業。しかし、日常生活に戻るためには大切な訓練です。
  • 訓練に慣れてきたら、階段の上り下りや、外に出て、補助なく歩くトレーニングも行います。

装具を使った訓練

歩行や立ち座りがスムーズにいくよう補助する装具を使い、体を動かす感覚を取り戻していきます。

  • 患者さまの状態に合わせた装具を選びます。足にその装具をつけ、歩行をサポート。理学療法士がついてトレーニングをします。

作業療法編

身体が回復しても、退院していざ日常生活に戻ったとき、以前のように家事をしたり、生活動作をしたりするのが難しいこともあります。作業療法では、調理訓練や、布団での寝起き、掃除、洗濯ものを干すなど、個々のライフスタイルや生活環境に合わせた、実生活さながらのシミュレーションを行うことができます。

作業療法

細かな身体の使い方など、生活の上で必要な動作をスムーズに行えるようにトレーニング。作業療法士が中心となり、サポートします。

  • 大きい物、小さい物、丸い物、四角い物……箸を使って、いろんな形状の物を運ぶ練習をします。
  • リハビリ道具は身の回りにある物でも代用可能。新聞紙もその一つ。紙を破って丸める練習は、病室や自宅でも続けることができます。
  • スタッフの温かい手で、患者さんの手をストレッチします。しっかり動かした手の疲れを和らげたり、マヒにより固くなった筋肉をほぐしたりする効果もあります。

調理訓練

キッチンはただでさえ危険な物がいっぱい。後遺症によるマヒがあったり、体の機能が低下していたりすると、なおさらケガや事故が起こりやすい場所となります。

そこで調理訓練では、一般家庭のキッチンを再現した調理スペースにて、包丁やハサミ、コンロを使用した調理や、割れると危険な食器洗いなど、実際の動作を実施。併せて、「どこまでの作業なら安全に行えるか」といった能力評価も行います。

  • 物をつかむ、握ることができるようになっても、洗い物の泡ですべりやすくなった手や濡れた手では勝手が違います。実際に洗い物や料理を実践することで、実生活に潜むリスクを知ることができます。

生活訓練

長い入院生活。ベッドで体を起こすことには慣れても、「普段は布団で寝ている」という人には、自宅に戻った時に不安が残ります。

そこで作業療法のリハビリでは、布団の上げ下げから、畳の上に布団を敷いて、横たわって、起き上がるところまで、一連の動作を練習。他にも掃除機がけ、洗濯物干し……と個々のライフスタイルや生活環境に合わせた、実生活さながらのシミュレーションを行うことができます。

  • 元気なときは日常的に行える布団を畳んだり敷いたりする動作ですが、患者さまにとっては不安があります。作業療法士がサポートしつつ、寝起きの練習を行います。施設内に畳の部屋など自宅に近い部屋がある病棟もあり、より実践的な練習が可能です。
  • 掃除機を使い、実際に掃除を行います。無理のないように作業療法士がサポートしながら行うことができます。

言語聴覚療法編

脳損傷によって起こるコミュニケーション全般の障害(失語症や構音障害)や、高次脳機能障害、嚥下障害に対して言語聴覚士がサポート・訓練させていただきます。コミュニケーションや嚥下に関することですからご家族へのサポートも重要です。

言語訓練・高次脳機能訓練

ろれつが回りにくくなる構音障害や「読む・聞く・書く・話す」が障害される失語症、記憶や注意力が低下する高次脳機能障害に対してリハビリを行います。

  • 絵カードを使った練習や、書く・計算する等で注意力や記憶力を改善します。セラピストと向かい合って、発音や発声をトレーニングします。
  • こちらはある言語聴覚士が手作りした資料。患者さんの症状やめざすレベルに合わせて、発音・発声の練習メニューを考えます。

嚥下訓練

疾患の後遺症により、食べ物を噛んだり、飲み込んだりすることが困難となった場合に行います。危険に配慮して食事ができるようセラピストがつきサポートします。

  • 首や唇・舌といった飲み込みに関連する筋を動かす体操や、実際の食事の場面でも嚥下評価を行います。飲み込みの練習は言語聴覚士がサポートし安全に配慮。

看護・介護編

回復期リハビリテーション病棟では、病棟で過ごす「24 時間すべてがリハビリ」ととらえ「訓練してできるようになったADL(日常生活動作)」を、「常にしているADL」として、看護師と看護補助者が援助します。離床活動や社会交流を病棟の中でできる環境づくりも重要なポイント。ご家族の精神的なフォローアップなども行い、スムーズな退院を支援します。

体調管理

回復期では入院中、毎日スムーズにリハビリができる体調管理と、事故が起こらないように環境を整える事が最も重要です。睡眠・排泄リズム、食事の摂取状態、体調の悪化はないか、褥瘡(じょくそう)などの危険、転倒のリスクはないか、常に観察しています。

  • 毎日体温・血圧・脈拍などのチェックを行い、体調の変化がないか確認します。
  • リハビリ後の水分補給も大切。飲み込みがうまくできない場合は隣でサポートします。
  • 入浴時もスタッフがつくので安心。患者さんの状態に合わせて機械浴槽を使用する場合もあります。

日常生活介助

リハビリ訓練でできるようになった、歩く、着替える、トイレなどの動作を、看護師・看護補助者が病棟で日常的に継続していけるよう積極的にサポートします。患者さんの状態に合わせて介助方法やサポートの仕方も調節していきます。

  • 日常的に自分でできる動作にしていけるよう、病棟でサポートします。
  • 夜間でも患者さんの状態に応じて行うトイレの介助。1日でも早くオムツをはずせるよう援助。
  • 肺炎予防のためにも口腔ケアは重要です。患者さんの状態に応じたサポートをします。
  • 日常の動作を一人でできるよう「時間がかかっても見守る」看護も大切です。

社会交流

ベッド上での生活を極力減らし、デイルームなどで積極的に参加できるレクリエーションが企画される病棟も。病棟生活の中でいかに活動量を増やしていけるかが、在宅復帰への鍵です。

  • 患者さん同士の交流のほか、さまざまな企画を用意。活動的に生活することもリハビリの一つです。

精神的サポート 家族へのケアと退院指導

急性期医療から回復期医療と状態が良くなり意識がはっきりしてくる段階では、障害を受け入れられずに悩みを抱える人も少なくありません。このような状態を乗り越えられるよう、看護師や看護補助者による日々の精神的サポートが重要です。

  • 長期入院の中、患者さんの話を聞いたり、様子をうかがったりすることも大切な役割です。
  • 退院後、自宅や地域で安心して生活できるよう、看護師・看護補助者は家庭環境を把握し、患者さん本人やご家族へ退院後の生活のアドバイスを行います。

入浴訓練

食事や睡眠の次に欠かせないのが「入浴」。普段はシャワーだけで済ませる人もいれば、湯船につかる人もいます。回復期リハビリテーション病棟ではそのどちらも訓練することで、日常のどんなシーンにも対応できるようにします。さらに設備の充実している施設では、大浴場や露天風呂が併設されていることも。滑りやすいタイル、手すりのない通路など、+αのシチュエーションでの練習が可能です。

  • 大浴場や露天風呂は、訓練だけでなく、リラックスタイムを過ごす空間としても使用されています。