頭部外傷の種類、リハビリ|回復期リハビリテーション.net

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頭部外傷になってしまったら

頭部外傷とは? 種類は?

その名のとおり、頭部に外傷を負い、脳に傷がついたり、障害が起こることをさします。交通事故、転倒・転落事故、スポーツなどで、頭に強い衝撃が加わると脳が傷つきます。これを「脳挫傷(のうざしょう)」と言います。当初意識が悪くても、意識は徐々に回復していきます。すると脳梗塞や脳出血と同様、会話ができない(失語)、手足の動きが悪い(麻痺)といった症状が出ていることに気づきます。 頭部外傷の場合、これらの症状は日常生活ができるまでに回復することが多いので、ご家族は「もとどおりになってよかった。これで家に帰れる、職場に戻れる」と喜びます。しかし、会話や行動をよく観察してみるとなんだかおかしい。それは人間としての営みを円滑にしている高次脳機能に障害が残っているからです。このために日常生活や社会生活にいろいろと制約ができてしまいます。

頭部外傷による高次脳機能障害の主な症状

脳の場所や度合いに違い差はありますが、高次脳機能障害は多少なりとも残るので、食事や歩行は可能でも、一人暮らしや職場復帰はなかなか大変です。また判断力も低下していますので、車の運転は大変危険です。種類によってさまざまな症状が起こり得ます。

高次脳機能障害の症状

後遺症の名称 主な症状
運動麻痺 運動麻痺 右上下肢あるいは左上下肢が動かなくなる症状。痙性麻痺と弛緩性麻痺があり、一般に麻痺は下肢よりも上肢に強いことが多い。脳梗塞や脳出血が生じた脳の部位よっては下肢に強い場合も。
感覚障害 感覚障害 触覚や痛覚が鈍くなる場合と逆に過敏になり痺れを感じる場合がある。脳梗塞・脳出血発症後半年くらい経ってからしびれが強くなるケースも。
目の障害 目の障害 視野が狭くなったり、物が二重に見える「複視」という障害、片目の視野が見にくくなる「半盲」という障害もある。発症後長期間にわたって症状が残る場合があります。
構音障害 構音障害 いわゆる呂律の回りにくさで、比較的回復しやすい場合と症状が長期にわたり残りやすい場合があります。
嚥下障害 嚥下障害 食べ物を飲み込みにくくなる症状で、大脳の片側に病変が限られている場合は回復が見込めるが、延髄など脳梗塞の部位によっては回復が難しい可能性も。
高次脳機能障害 高次脳機能障害 脳の損傷により神経に異常が起こり、運動障害や感覚障害が発症することをさします。一口に高次脳機能障害といっても、表れる症状はさまざま。
記憶障害 物忘れが激しいので物の置き場所を忘れてしまう、道順を忘れる地誌的記憶障害。昨日あったことも覚えていないので何度も同じことを聞く、言われたことや読んだものを忘れる言語性記憶障害。名前や作業手順が覚えられないので新しい仕事ができない、記憶の前後がわからなくなり見当識が悪くなる症状など。
注意障害 注意散漫で集中できないため、ほかから刺激がくると注意がそれてしまって、今やっていることがおろそかになってしまう。ふたつのことを同時に行うと混乱してしまうなどがある。
遂行機能障害 自分で計画を立てて実行できず、物事の優先順位もつけられないので、いろいろなことの手順がうまくいかない。
社会的行動障害 行動や感情を状況に合わせてコントロールができないため、すぐに怒ったり暴力をふるったりする、思い通りにならないと大声をだす。
病識欠落 自分ができなくなっていることを指摘されても自覚できない。
失語症 言葉が出にくくなる「運動性失語」と、言葉を理解できなくなる「感覚性失語」がある。文字の理解や、文字を書くことができなくなる症状を伴うことも。
半側空間無視 外界の半側(主に左)に注意が向かない症状で、顕著な場合にはリハビリの妨げに。身体失認手足が動かないことなどを否定する症状で、半側空間無視に伴うことが多い。
自発性障害 自ら進んで動作に移れない、話せないなど。
などのほか、まだいろいろな症状があります。

リハビリテーションの必要性

後遺症の項目からもわかるとおり、頭部外傷のリハビリテーションは、体のリハビリテーションだけでなく、高次脳機能障害に対するリハビリテーションがとても重要です。通常の入院期間中(6ヵ月以内)に元の職場に復帰するまで回復するのは難しいことが多く、仕事内容を変えざるを得ないことも多々あります。 高次脳機能障害はゆっくりと改善していきますので、退院後もご自宅で訓練を続けていけば、失われた機能はやがて他の機能で補われるようになってきます。落胆せずに長い目で見ていきましょう。 また、自宅でのリハビリだけでなく、職業リハビリテーション施設、都道府県や市町村の自立支援サービス、就労・生活支援サービスなども有効に利用しましょう。