言語療法士(ST)インタビュー|回復期リハビリテーション.net

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働くスタッフインタビュー / 言語聴覚士(ST)

言語聴覚士(ST)

プロフィール

小学生の頃に障害のある同級生と接し、母親からの助言もあり現職を志す。他職のスタッフとの連携も密に行い、患者や家族と接する。モットーは「明るく元気に対応すること」。急性期病院での経験もあり、患者の状態へ親身になる姿勢が好評。

―役割を教えてください。

私たちが担当するのは、話すことや聞くこと、読み書きができなくなる「失語症」、脳の損傷によって言語障害が起きる「高次脳機能障害」、正しく発音できない「構音障害」、飲食物をうまく飲み込めない「嚥下障害」、そして「発声障害」の患者さんで、その方たちに対してコミュニケーションや食事面でのリハビリテーションを行ないます。

―具体的にはどんなことをするのですか?

発音が難しい人には「あいうえお」から一つ一つ発声の仕方を確認したり、ろれつが回らない方には「らりるれろ」を組み合わせた単語を一緒に読んだりします。患者さんと言語聴覚士の1対1で訓練を行ないますが、ご家族が一緒に参加されることもあるんですよ。言葉の練習はご自宅に戻られてからもできますので、教材や手作りの資料もお配りしています。一方、嚥下障害の場合は、患者さんの状態に合った食事の仕方を図にして、病棟でも実践できるよう看護師やケアワーカー、ご家族の方に共有しています。

―他の職種とのチームワークはいかがですか?

毎日の申し送りでは、患者さんの能力がどれほど改善したのか、看護師と私たち言語聴覚士、他のリハビリスタッフがそれぞれの評価を照らし合わせて、リハビリの方針を改めていきます。常に患者さんと関わっている看護師には、特に伝達することが多いですね。例えばリハビリを通じて嚥下力が改善した場合、食べ物の硬さや大きさを変えるよう私たちが評価するのですが、そのとおりに食事内容を変えて病棟で実践してみた結果、看護師からは「むせて食べられない」といった相談を受けることも。細かな調整を繰り返して、少しずつ改善を図っていきます。

―なぜ今の職業に就こうと思ったのですか?

小学校の同級生に発達障害のある子がいたんです。言葉をうまく話せず、それでも一生懸命にコミュニケーションを取ろうとする姿を見て、将来は障害のある人をサポートする仕事に就きたいと思うようになりました。そこで、看護師をしている母にリハビリのことを教えてもらい、言語聴覚士をめざすことになりました。

―実際に言語聴覚士になった感想はいかがですか?

私は以前、急性期病院に勤めていました。そこには大きな病気やケガで一命を取り留めた方たちがたくさんいて、中には容体が悪化してお亡くなりになる方もいたんです。実際の現場に出るまでは、リハビリって体がどんどん良くなっていくような、前向きなものだとばかり思っていたのですが、現実はもっともっと厳しいものでした。回復期リハビリテーション病院では患者さんの状態は比較的安定していますし、患者さんが元気になっていく姿を間近で見られるだけに、「これがリハビリだ」と実感できることが増えましたね。

―どんな時にやりがいを感じますか?

患者さんが無事退院されるのを笑顔でお見送りできた時です。特に難しいケースの方の場合、ドクター、看護師、リハビリスタッフ、ケアワーカー、ソーシャルワーカーとで、「是が非でもご自宅に帰してあげよう!」と一致団結した結果、それが実現した時のやりがいはこの上なく大きいです。

―逆に、どんな時に仕事の難しさを感じますか?

好きな物を自由に食べたいという患者さんのお気持ちに、必ずしも応えられるわけではないということです。肺炎や窒息のリスクがある場合など、機能的な面を考慮して残念な結果しかお伝えできないときなどは、自分が無力に思えて落ち込んでしまうことも。難しいことではありますが、患者さんの願いを一つでも多く叶えるために、私にできることは何かをいつも考えています。

―患者さんと接する上で大切にしていることはありますか?

良い点も悪い点も含めて、患者さんとご家族に共有することを心がけています。できなかったところもしっかりと評価し次につなげていくことが、回復期リハビリテーションにおいては重要だからです。あとは笑顔ですね。楽しいリハビリを受けていると思っていただけるように、明るく元気に対応することをモットーにしています。